衣縫神社(いぬいじんじゃ)・京都府城陽市

和裁の聖地

着物は昔から仕立てかえができるように反物を裁断し手で縫う・和裁の技術で縫い上げられています。この和裁の聖地ともいえる京都府城陽市にある衣縫神社をご紹介します。その名の通り、お祀りされている神様は、大縫命(おおぬいのみこと)と小縫命(おぬいのみこと)で、衣を縫う神様です。このお二人は、成務天皇の時代に志賀(しが)の高穴穂の宮(たかあなほのみや※今の滋賀県大津市穴太)で、その当時の天皇はじめとした高貴な方が着用する衣服を縫う仕事について、衣縫(きぬぬい※現在では「いぬい」という)の名前を与えられたとのことです。これによって「衣縫の祖神」「衣縫大神」として昔から崇拝されています。

衣縫神社は、水主神社(みずしじんじゃ)本殿に一緒に祀られています。水主神社の創建は古く、5世紀半ばと言われています。水主神社にお祀りされている神様のおひとりの天香語山命(あめのかごやまのみこと)の子どもの天村雲命(あめのむらくものみこと)から9世の孫にあたるのが、大縫命(おおぬいのみこと)と小縫命(おぬいのみこと)と言われています。

まさに、衣縫神社は和裁の聖地ともいえる場所です。

毎年4月29日・衣縫例大祭での針供養

毎年4月29日の衣縫神社例大祭に合わせて、昭和53年4月に奉納された針の碑(針塚)で、(一社)日本和裁士会の方々が多数参拝され、古針や折れ針を特大のこんにゃくに刺して供養して裁縫の上達を祈願されています。

和裁無形文化財 小見外次郎氏の胸像移設

令和5年4月29日の衣縫神社例大祭に、和裁で唯一無形文化財技術保持者(人間国宝)に指定された小見外次郎氏の胸像が東京より移設され、除幕式が小見氏のご家族や(一社)日本和裁士会の多数の会員が見守る中開催されました。

和裁の神様が祀られ、和裁の人間国宝もいらっしゃる和裁の聖地・衣縫神社から、きものっくしてみませんか。

衣縫神社(水主神社と合祀)

住所:〒610-0118 京都府城陽市水主宮馬場30番

アクセス:近鉄京都線「富野荘駅」より徒歩19分