日本一浴衣の似合う町 城崎温泉

〇城崎温泉の魅力

但馬に位置する城崎温泉は、一説には奈良時代の717年に道智上人が難病の人を救うために千日間の修業を行い、720年に温泉が湧き出たといわれています。それ以来の長い歴史のある温泉です。

志賀直哉の「城崎にて」という小説が1917年(大正6年)に発表されており、けがの養生のため城崎温泉で湯治したという、日本で有名な随筆にも紹介されています。

城崎温泉の魅力は、レトロな街並み、柳並木と石造りの太鼓橋が美しい大谿川(おおたにがわ)の風情、そしてゆかたを着てめぐる7つの外湯めぐりです。

城崎温泉は、もともと温泉街を一つの宿として見立て、「駅が玄関・通りが廊下・旅館がお部屋・外湯が大浴場・お土産物店が売店」というコンセプトのもと、お客様を宿の中だけではなく城崎温泉全体で堪能して頂けるよう、「共存共栄」のまちづくりを進めています。そのため、立ち寄れるレトロなお店もたくさんあり、より一層外湯めぐりと城崎温泉を楽しむことができます。

〇城崎温泉の正装は「ゆかたに下駄」。

1994年(平成6年)に城崎温泉の有志の方々が、城崎文化フェスタ実行委員会を立ち上げ、「ゆかたの似合う町」を目指してデザインゆかたを導入し、「ゆかたのファッションショー」の開催や「レンタルゆかた専門店」と「ゆかたご意見番」というサービスも同時に町ぐるみではじめました。

ゆかたをファッションとしてとりいれたことにより、女子旅・カップル・卒業旅行など若いお客様も多く訪れるようになってきています。

ゆかたファッションショーの精神は、現在も城崎温泉ミスゆかたコンテストに引き継がれています。

ミスゆかたコンテストのグランプリと準グランプリに選ばれた方々は城崎温泉観光大使として1年間各種イベントに出演し、ゆかた姿で城崎温泉のPR活動をおこなっています。

写真提供:豊岡市役所大交流課

〇お宿のゆかた・「宿ゆかた」「色ゆかた」。

宿ゆかたは、お宿に宿泊されるお客様に提供される無料の屋号入り宿ゆかたです。

色ゆかたは、小物とコーディネートが楽しめる様々なデザインを選べるレンタルゆかたです。城崎温泉のほとんどのお宿で、ゆかたをレンタルすることができますが、お宿によって無料から有料まで価格が異なります。

〇ファッショナブルレンタルゆかた。

城崎温泉には日帰り・ご宿泊に関係なく、プロのスタイリストがお客様に似合う「ブランドゆかた」をご提案できるレンタルや販売の専門店があり、プロのトータルコーディネートを楽しめます。風情のある街並みでのゆかた姿は、SNS映えする素敵な写真が撮れます。また、撮影スポットもたくさんあります。

「ゆかた専門店 いろは」

和装を学ぶスタートの機会になるよう「いろは」という名前のお店で、2016年2月に城崎温泉で初めてオープンした専門店です。ゆかたの専門店なので、沢山の「ブランドゆかた」の中から自分に似合うゆかたや帯・バッグ・下駄までセレクトでき、また外湯7湯の一つ「御所の湯」の真横にあり城崎温泉の雰囲気にマッチしています。

住所:〒669-6101 豊岡市城崎町湯島449 TEL:0796-32-0168

営業時間:10:30~17:00 20:30~22:00 HP:http://iroha168.net

写真提供:ゆかた専門店 いろは

〇ゆかたを着る時のうれしいサーピス

「ゆかたご意見番」

城崎温泉には外湯やお宿の他、「ゆかたご意見番」という、ゆかたの着崩れや着付けに関してサポートしてもらえるお店があります。ゆかたで困ったときにサポートしてもらえる有難いサービスです。

写真提供:城崎温泉観光協会

「みんなの傘」

城崎温泉が位置する但馬地方は、「弁当忘れても傘忘れるな」と言い伝えられるように、雨が多い地域です。城崎温泉町内にいれば、だれでも利用できる「みんなの傘」というサービスもあります。

「みんなの傘」は町内10ヶ所に置いてあり誰でも利用できる“傘”のことです。ピンク色の傘で専用傘立てが目印です。JR城崎駅と城崎温泉観光センター(JR城崎駅前)と城崎町文芸館と外湯7ヶ所(鴻の湯・御所の湯・まんだら湯・一の湯・柳湯・地蔵湯・さとの湯)にあります。

写真提供:城崎温泉観光協会

〇城崎温泉の「ゆかた憲章」

ゆかた憲章

一.ゆかたにあらざれば、装いにあらず

一.ゆかたを以て(もって)尊し(たっとし)となす

一.ゆかたを温ねて(たずねて)、新しきを知る

一.ゆかた姿、一日にして良き思い出を宿す

一.ゆかたは、豊かな心を育む(はぐくむ)

〇城崎でゆかたことはじめ

城崎温泉の7つの外湯は徒歩で20分ほどの距離の中にあります。温泉に入った後、ゆかたをまとい、ほてった体を冷ましながら、カランコロンとそぞろ歩きで次の外湯へ。江戸時代に銭湯の文化が盛んになり、銭湯の後にゆかたを着て街を歩く人が多くいました。城崎の外湯めぐりは、その時代にタイムトリップした感覚にひたれる絶好の場所です。また城崎は町ぐるみで「ゆかたの着崩れなどのサポート」を色々なお店が協力してくれるので、ゆかたが不安というお客様も安心してゆかたを着ることができます。着物の入口の1つはゆかたです。是非、城崎温泉でゆかたを着てみませんか。

<取材・写真協力> 豊岡市役所大交流課、NakagawaMasako、城崎温泉観光協会、お宿芹、きものサロンけいたに