奈良晒(ならざらし)の晒(さらし)は漂白するということで、奈良でつくられた白く漂白した麻織物のことをいいます。奈良晒は、江戸時代に徳川幕府の御用達品として認められたことから、武士の裃などに使われ、日本を代表する麻織物の産地として名声をはせましたが、明治以降衰退し、現在は月ヶ瀬奈良晒保存会の伝承活動で技法が継承されています。
新型コロナウイルス感染症の影響で中止されていた作品展が令和5年3月24日㈮・25日㈯に奈良市月ヶ瀬にあるロマントビア月ヶ瀬にて開催されます。
繊維を割いて糸にしていく作業を績む(うむ)といいます。※紡績(ぼうせき)・紡ぐ(つむぐ)+績む(うむ)の語源となっている1つの作業です。奈良晒は大麻から績んで糸にし、傾斜機を使った手織りで織り上げられています。すべて、人の手作業で織り上げられるので、作品からはつくられた一人一人の人となりが伝わってきます。
月ヶ瀬奈良晒保存会は、人を通して現代に残る「技の博物館」のようなところです。現在の大量生産大量消費、ロボットによる生産などが進む中、真逆のモノづくりをされている人の顔が見える作品をぜひお楽しみください。
奈良月ヶ瀬の奈良晒からきものっくしてみませんか。
開催日時:2023年3月24日㈮・25日㈯ 10:00~15:00
開催場所:ロマントピア月ヶ瀬 和室 奈良市月ヶ瀬長引410-1
主催:月ヶ瀬奈良晒保存会 電話090-1916-3689
後援:奈良県 奈良市教育委員会