毎年2月10日は太物の日です。2月(ふ)10日(とう)の太物にかけた語呂あわせでこの日に決められました。
太物とは、絹の着物を呉服(ごふく)と呼ぶのに対して、綿や麻やウールなど天然繊維の太い糸の着物を太物と呼んでいます。
「太物の日」は、普段着として着ることの多い太物をもっと楽しんでもらおうと、宮崎県宮崎市にある「染織こだま(そめおりこだま)」の児玉健作さんの呼びかけで2012年3月5日に制定されました。その後、太物を盛り上げていこうと、2016年5月28日(土)に第1回太物サミットが宮崎市民プラザにて開催されました。
染織こだま 児玉健作さんよりメッセージ
呼びかけは私ですが、当時SNS等で賛同するよ、制定しようという皆さんの声があっての制定です。むしろ、それがなければ記念日になることはありませんでした。
記念日には5月29日の「呉服の日」や7月7日の「ゆかたの日」など、和装に関わるものもたくさんあります。楽しむきっかけは多いほうが良いと考えています。
昭和時代から次第に死語となった「太物」ですが、令和の今、そこには限りない希望が詰まっています。はじめに言葉の復活を、それをブースターに振興をはかり、行く先は誰もが思い思いに着物を楽しめる社会が育つことです。それこそ、全世界で。
絹というかけがえのない素材や、化学繊維という便利な素材と合わせて、より大きな、そして快適で多彩なファッション環境が人を幸せにすることを願っています。
太物の日は、着ても、見ても、考えても、書いても何をしても自由です。一日の傍らに、そっと太物があれば、幸せなことだと思います。