十日町の着物に出会える・十日町市博物館「TOPPAKU(トッパク)」

全国には様々な着物の染織産地がありますが、染と織はそれぞれ作り方が違うため、染は染だけ、織は織だけの産地がほとんどです。その中で、新潟県十日町は織物と染物の両方をつくる産地です。

十日町市博物館では、この十日町の織物産地が今までどのように時代の変化にあわせて変わっていったのかを学ぶことができます。

展示風景 十日町市博物館所蔵(提供)

十日町の織物の歴史は長く、この十日町市博物館の立っている場所から弥生時代の糸を巻き取る道具が発見されていて、約2000年以上の歴史があります。

織物常設展示風景 十日町市博物館所蔵(提供)

十日町は永らく麻織物の産地で、原始的な麻の編物の「アンギン」から一世を風靡した越後布の着物やパネル展示、織機などの展示もあります。江戸時代の後半から絹織物にも挑戦し、新商品として開発し大正時代から昭和時代に大ヒットした夏用着物の「明石ちぢみ(あかしちぢみ)」。

明石ちぢみ 十日町市博物館所蔵(提供)

第二次世界大戦後に、明石ちぢみに続いて大ヒットした「マジョリカお召(おめし)」やPTAルックの「黒羽織」。その後、前の東京オリンピック(1964年開催)の頃から染物へ本格的に挑戦し、友禅染の「中振袖」など展示替えはありますが主だった十日町の時代を創った着物に出会えます。

十日町は、「麻から絹へ」「夏物からオールシーズンへ」「織物から染物へ」と3回の大きな挑戦を経て、現代まで至っています。新型コロナウイルスで大きく社会が変化する中、現代に生きる我々も大きな変化が求められています。十日町市博物館で時代の変化に対応し続けている十日町産地の変遷を学んでみてはいかがでしょか。

十日町市博物館のHPはこちら